【小説】第12話「何で飲んだの?喉に引っかかった木の枝」【舞ります!】
こんばんは。
8月が終了する前にこの小説がまた出来ましたので載せます。
「舞ります!」の第12話になります。
雅様達、見ている方に先に申し上げますと、
小説はもう新作ですからね!新作!
其れと、前のサービスのブログの話を出すことはもう野暮と言う扱いにします。
8月の上旬。
残暑に入ったけどまだまだ暑い夏が続く。
心平は柊輔をベビーカーに乗せてお散歩に出かけていた。
ベビーカーは柊輔が熱中症にならないようにカバーをしていた。
冬野柊輔「う~う~。」
冬野心平「暑い・・・。」
心平は、ベビーカーにかけていた水筒を手に取り、水筒の口を開けて中に入っていた麦茶を飲んだ。
冬野心平「柊輔君、暑くない?」
柊輔に声をかける心平。
冬野柊輔「あう~!」
柊輔は何とか元気な様子だ。
冬野心平「柊輔君は大丈夫そうだね。しかし暑いな…。」
汗をかきながら共同住宅へ戻る心平。
図書館付近を通ったその時、心平はふと下を見つめた。
下には小さな木の枝が落ちている。
冬野心平「・・・。」
心平はじっと木の枝を見つめる。
そして、
パクッ!!
暑すぎてボーっとしているのか、心平は無意識に木の枝を食べてしまったのだ。
そして、そのまま共同住宅へと戻っていく。
此方は、共同住宅。
???「えっ・・・おえ。」
桜道舞「誰?「おえ」って?」
桜道美咲「酔っ払い・・・ではなさそうね。」
桜道樹「子供の声よ。」
桜道将春「一寸外を見てくる。具合の悪い人がいるかもしれないからな。」
将春が靴を履いて外に出てみると・・・、
冬野心平「おえ、おえ!」
口の中へ手を入れ、何かを取っているような仕草をしている心平を見つけた。
桜道将春「心平君?どうしたんだ!?」
冬野心平「・・・口に何か入ってるみたいで。」
桜道将春「口?一寸開けてみて!」
心平は大きく口を開けた。
そして、将春は心平の口の中を隅々まで確かめた。
桜道将春「うーん、何も入ってないよ?」
冬野心平「ええ・・・。」
桜道将春「と、とにかく僕には何も出来ない。医務室に行こう!」
冬野心平「うん・・・。」
そして医務室にて。
舞&樹「口に何か入っている!?」
冬野心平「うん。」
桜道将春「僕がさっき口の中を確認したんだけど、何も入ってなくて・・・。」
桜道美咲「よく見たの?貴方。」
桜道将春「ちゃんと確かめたよ。」
桜道樹「どうするの?今はミィ叔母さんも紫苑さんも仕事で居ないんだよね。」
深大寺は隣町へ仕事、紫苑は家族を連れて薬の開発の手伝いに行ったのだ。
なので薬を作って貰うにしても今は出来ない。
曽田菊乃「どうしようかしら・・・。」
桜道舞「もう一度口を開けて?」
舞は心平に口を開けるようにと指示する。
冬野心平「うん、あー・・・。」
心平は、先程より大きい口を開けた。
舞は更に隅々まで口を確認するが、異物などは見つからなかった。
桜道樹「何かあった?」
桜道舞「何もない・・・。」
椿卓也「このライトを当てて見る?」
卓也は、病院で使われている小さいライトを持ってくる。
桜道舞「それいいアイディア。」
舞はライトの電源を入れる。
カチッ!
桜道舞「心ちゃん!何度も御免ね。もう一度だけ口を開けてくれる?」
冬野心平「うう・・・。」
今度はライトを口に当てて口の中を見渡す。
その時、
桜道舞「あ。」
椿青葉「舞ちゃん、どうでした?」
紅葉&楓徒「何か見つかった~?」
桜道舞「何か・・・棒みたいなものが有る。」
椿卓也「棒?」
桜道舞「心ちゃん、何かここに来る途中飲んだり食べたりした?」
冬野心平「ううん、何も。」
どうやら木の枝を食べた事は覚えていないらしい。
夏の暑さで頭がぼーっとしていたのだろうか。
冬野心平「それがお散歩の記憶が余りないんだ。」
桜道舞「え?」
曽田菊乃「覚えてないって・・・一体どういうことよ?」
冬野心平「いや、そんな事言われても。」
椿青葉「どこかで頭をぶつけたりとかしなかったの?」
冬野心平「いや・・・それはない・・・。」
桜道樹「頭ぶつけてたら痣(あざ)とか出来てるわよ。」
桜道舞「これはちょっと緊急事態だ・・・。」
心平の口に何か入っているものの、口には何も入っていない。
しかもお散歩の事も覚えていないのだから。
桜道舞「ちょっ、パパ!これはやばいから病院へ!」
桜道将春「わ、分かった!」
将春はすぐ車のキーを取りに向かう。
冬野心平「おえ~!!」
心平の顔色が更に悪くなった。
恐らく気分が悪くなったのだろう。
桜道舞「ここで吐いたら駄目!」
椿卓也「は、吐くならバケツか袋に!」
冬野心平「いや、吐かないから大丈夫。でも気分悪い・・・。」
曽田菊乃「ところで舞ちゃん、棒みたいな物とか言ってたけどそれって具体的に言うとどんなの?」
桜道舞「うーん、何か枝っぽかったかな?細かったし。」
桜道樹「枝飲んだら大変よ!」
桜道花丸「わん!」
桜道舞「いやまだ枝を飲んだって決まったわけでは・・・。」
その時です。
桜道将春「車の準備が出来た!早く病院へ行こう!」
桜道舞「よし、心ちゃん、行くよ!」
冬野心平「あ、待って・・・。」
心平が柊輔の元へ向かう。
冬野心平「柊輔君、おいで。」
そして、柊輔を抱っこして、玄関に向かおうとする。
桜道舞「こら!柊輔君はお留守番させて!」
椿青葉「柊輔君なら私達が預かるので!」
冬野心平「う~、それじゃあ・・・。」
心平は青葉に柊輔を渡す。
椿青葉「では預からせて貰うわ。」
冬野心平「えっと、そろそろオムツを取り換えたり、おやつあげないと・・・。」
椿青葉「大丈夫よ!いつも心平君を見ているから知ってるわ。」
桜道舞「よし、心ちゃん、行くよ!」
冬野心平「うん・・・。」
心平と舞達は将春の車に乗り、さっそく病院へと向かった。
そして5分ぐらいして病院へ到着。
舞と将春は医師に心平の事を全て言った。
医師「口に何かが入っているのですか?」
桜道舞「でも口には何も入っていなくて。」
医師「だとすると、喉に何か引っかかっているのでしょうかね。」
桜道舞「私が見たところ、枝みたいなものが見えたんですが。」
医師「枝ですか!?」
医師はかなり驚いた表情をした。
医師「えっと、それじゃあ私がその喉に引っかかった枝を取り出すので、心平君が暴れたら大変なので押さえてて下さい。」
桜道将春「分かりました。心平君、我慢して!」
舞達は、心平を押さえた。
そして、将春は口を開けさせる。
冬野心平「んがっ!」
医師「じっとしててね。」
医師は心平の口の中に手を突っ込む。
冬野心平「あ・・・あ・・・あ・・・!」
心平は叫ぶ。
流石に手を喉の奥まで入れられたら辛いだろう。
心平は少々泣いている。
桜道舞「心ちゃん我慢して!喉の奴取りたいんでしょう!」
桜道樹「もう少し!」
医師「あ、取れました!」
医師は口から手を引っこ抜く。
そして心平の喉から出てきたのは・・・、
桜道舞「嗚呼!やっぱり!」
何と、医師の手に持っていたのは木の枝だったのだ。
医師「な、何故木の枝が?」
冬野心平「はぁ・・・はぁ・・・すっきりしたー・・・。」
桜道将春「心平君!枝を飲んでいたの!?」
冬野心平「え!?枝が入ってたの!?」
枝が取れてすっきりした心平。
通常通りに戻ったものの、枝を飲み込んだことは全く覚えていないようだ。
桜道舞「覚えてないの!?」
冬野心平「何も覚えてない。」
桜道樹「じゃあどうして・・・。」
医師「まぁ、兎に角心平君。落ちているものをやたら口の中に入れたら駄目ですよ。木の枝は「小枝」に似ていますが。」
冬野心平「はあ、よく分かりませんが・・・。」
とりあえず、心平は気分の悪さは治ったようだ。
そして共同住宅へ戻っていった。
その日の夜。
神崎茉莉「木の枝ですって?」
曽田菊乃「何でそんなものが喉に引っかかってたのよ!?」
冬野心平「全然記憶がないんだ。」
桜道舞「本人はこう言ってるけど。」
深大寺美鳥「私達が居ない時にそんな事があったのね。」
神崎紫苑「何で僕らにその事言わなかったの?」
紫苑が言った。
桜道舞「仕事中に電話したら駄目だと思ったから。」
神崎紫苑「別に大丈夫だよ。何かあったらすぐ行ってあげるから?」
神崎蘭子「あ~!」
冬野心平「今日は最悪な一日だった・・・。」
桜道舞「まあ、次から気をつけてね。」
木の枝を飲み込むという珍事件(?)が起きたとある暑い日の出来事だった。
END